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海上幕僚長から各部隊の長・各機関の長あて

技能基準及び技能訓練実施基準について(通達)

 標記について、海上自衛隊の教育訓練の実施に関する達(昭和42年海上自衛隊達第31号。以下「達」という。)第8条第2項及び第23条第2項の規定に基づき下記のとおり定め、平成10年9月1日から実施する。

1 技能基準

(1) 趣旨

この基準は、海上自衛隊の隊員がその地位に応じ到達すべき技能基準(以下「技能基準」という。)に必要な事項を定めるものとする。

(2) 技能基準

技能基準は、海上自衛官の職の分類制度の実施に関する達(昭和38年海上自衛隊達第110号) 第4条に基づく「特技職明細書」及び同条の2に基づく「接尾語明細書」による。

(3) 適用範囲

技能基準は、技能教育及び技能訓練に適用するものとする。

2 技能訓練実施基準

(1) 趣旨

この基準は、海上自衛隊における技能訓練の実施について必要な事項を定めるものとする。

(2) 用語の意義

この基準における用語の意義は、達に定めるもののほか、次の各号に示すとおりとする。

ア 「部隊等の長」とは、長官直轄の部隊及び機関の長(海上幕僚長の監督を受ける自衛隊病院を含む。)のほか、長官直轄の部隊の編成に加わる各級の部隊の長をいう。

イ 「技能訓練シラバス」とは、准尉及び曹士隊員に対し、特技職及び階級に応じて個々に必要な知識及び技能を修得させるための訓練の実施及び評価の標準をいう。

ウ 「接尾語シラバス」とは、特技の内容の区分又は資格免許等を示す接尾語の付与要件の一つである訓練の実施及び評価の基準をいう。

エ 「技能訓練手法」とは、技能訓練の実施及び評価に関して部隊等の長が定める訓練実施標準、訓練実施要領等の総称をいう。

(3) 技能訓練実施の要旨

技能訓練は、技能基準に基づき、職務遂行に必要な知識及び技能を向上させることを目的とし、次により実施するものとする。

ア 基本教育において修得した知識及び技能を実物・実地に即して反復演練するとともに、その補備・充実を図る。

イ 部隊訓練と綿密な関連をもって計画的に実施するとともに、日常の勤務における諸作業を通じての機会教育と隊員の自己研さんを重視し、総合的な訓練効果の発揮に努める。

(4) 部隊等の長の責務

ア 部隊等の長は、この通達に定めるもののほか、技能訓練の実施に関し、必要な事項を定めるものとする。

イ 部隊等の長は、隷下部隊における隊員の技能訓練について、その進歩と斉一を図るものとする。

(5) 技能訓練の計画

ア 部隊等の長は、教育訓練に関する計画の一環として技能訓練の実施計画を定めるものとする。

イ 部隊等の長は、技能訓練を計画するに当たっては、部隊訓練との整合を図るものとする。

(6) 技能訓練の実施

ア 幹 部

 部隊等の長は、部下の幹部に対し、職務の自覚による自己研さんを推進し指導するとともに、所掌業務に習熟させるため、次により訓練を実施するものとする。

(ア) 職務の遂行に必要な法規に通暁させる。

(イ) 所掌する装備品等の性能、構造、作動及び取扱いを熟知させるとともに、修理等に関する業務に通暁させる。

(ウ) 業務に関する報告、記録等を通じ、適切な文書の作成及び管理能力を向上させる。

(エ) 職務の遂行に必要な外国語能力を向上させる。

(オ) 当該部隊等の教育訓練の計画及び実施を分担させ、技能向上の資とさせる。

(カ) 訓練作業、演習、公試、諸試験等重要な業務の実施に当たっては、関係の幹部を会して事前・事後の研究を実施させ、必要な教示及び指導を行う。

(キ) 適宜、指定作業又は特別の任務を課し、指揮能力を練成・向上させる。

(ク) 随時、指導者の監督の下に保安上差し支えない範囲で上級者の業務を経験させる。

(ケ) 1尉、3佐の幹部及び部隊等の長が必要と認めるその他の幹部(勤務の都合又は疾病その他の事情により不適当と認める者を除く。)に対し、毎年度1回各自の職務に関係する問題を選び、課題としてこれを課して答申させ、その成果について講評を加えるものとする。この課題の答申において特に優秀と認めるものは、順序を経て3月末日までに海上幕僚長に提出する。

(コ) 適当な通信教育を受講させ、知識及び技能を向上させる。

(サ) 接尾語シラバスによる訓練を、別紙第1に基づき実施させる。

(シ) 接尾語取得後の技能訓練を、別紙第3に基づき実施させる。

イ 准尉及び曹士

 部隊等の長は、部下の准尉及び曹士に対し、それぞれの配置における所掌業務を完遂させるとともに、その地位及び特技職に応じる技能を向上させることを主眼とし、次により訓練を実施するものとする。

(ア) 技能基準により訓練項目を設定し、部隊訓練を勘案しつつ計画的に実施する。

(イ) 接尾語シラバスによる訓練を、別紙第1に基づき実施させる。

(ウ) 技能訓練シラバスによる訓練を、別紙第2に基づき実施させる。

 なお、技能訓練シラバスによる訓練において准尉及び曹士隊員が到達すべき知識及び技能の標準(技能訓練シラバス用技能到達標準)は、別に示す。

(エ) (ウ)にかかわらず、搭乗員としてその配置にある者に対しては、航空集団司令官の定める技能訓練手法を技能訓練シラバスに替えて実施させることができる。

(オ) 技能訓練シラバスによる訓練(航空集団司令官及び特別警備隊長が定める搭乗員及び特別警備隊の配置にある者に対する技能訓練を含む。)では網羅できない接尾語に関しては、接尾語取得後の技能訓練を別紙第3に基づき実施させる。

(カ) 経歴の相違等による個人技能の差を考慮し、個人指導を徹底する。

(キ) 技能修得に必要な普通学等素養に関する補備教育を行う。

(ク) 必要に応じて講習を実施し、又は講習に参加させて知識及び技能を向上させる。

(ケ) 技能検定等を通じて、部下の知識技能を把握するとともに、じ後の訓練計画等の改善に資する。

ウ 事務官等の技能訓練の実施

 部隊等の長は、部下の事務官等に対し、その配置に応じ、ア又はイの要領に準じて訓練を実施するものとする。

エ 技能訓練の協同実施

 部隊等の長は、必要な場合、相互に協議の上、協同して技能訓練を行い、訓練効果の向上を図るものとする。

オ 技能訓練の委託

 部隊等の長は、技能訓練の実施に当たり必要とする場合は、相互に協議の上、訓練の一部を他の部隊等に委託することができる。

(7) 成果の検討

部隊等の長は、不断に訓練成果の評価に努め、訓練法を改善し、計画及び指導に反映して訓練効果の向上を図るものとする。

添付書類:別紙第1・別紙第2

写送付先:部内全般

別紙第1

接尾語シラバスによる訓練

1 接尾語シラバスの作成、修正及び配布

(1) 海幕防第4598号(62.9.21)別冊第2に定める特技職明細書等管理補助者は、別途、海上幕僚監部人事教育部長から通知させる様式及び記載要領により、接尾語シラバスを接尾語ごとに作成し、部隊等の長に配布するものとする。細部については、特技職明細書等管理補助者所定とする。

(2) 特技職明細書等管理補助者は、接尾語シラバスの作成及び修正に当たっては、関係各部隊等と十分調整を行うものとする。

(3) 部隊等の長は、接尾語シラバスの作成について所要の協力を行うものとする。

2 訓練の実施

(1) 訓練の期間は、原則として配置後1年以内とする。ただし、搭乗員については、2年以内とする。

(2) 訓練対象者は、接尾語シラバスに係る接尾語に関連した配置で勤務している者で、部隊等の長が指定する者とする。

(3) 部隊等の長は、必要に応じて部下の幹部等を指定し、訓練の実施を補助又は分担させるものとする。

3 訓練の評価及び報告

(1) 部隊等の長は、接尾語シラバスによる訓練終了後、特技職明細書等管理補助者が示した合格基準に基づく評価を行うものとする。

(2) 配置指定権者は、前号の合格基準に達した者について、付紙様式により特技認定権者に速やかに通知するものとする。

4 その他

 部隊等の長は、訓練を終了する前に転出する者がある場合は、その評価シート及び検定シートを転出先の部隊等の長に送付するものとする。

 なお、部隊等の長は、特に必要と認める場合のほか、退職した隊員の評価シート及び検定シートを速やかに破棄するものとする。

付紙様式

  発 簡 番 号

  発簡年月日
(特技認定権者)    殿
(配置指定権者)

接尾語シラバスによる訓練終了通知書

 接尾語シラバスの名称
  所  属
  階 級
  氏   名(認識番号)

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

                         (日本工業規格A列4番)

別紙第2

技能訓練シラバスによる訓練

1 技能訓練シラバスの作成、修正及び配布

(1) 付紙に示す技能訓練シラバス作成者は、別途、海上幕僚監部人事教育部長から通知させる様式及び記載要領により、技能訓練シラバスを特技職ごとに作成し、部隊等の長に配布するものとする。

なお、技能訓練シラバスは、機器・配置等の相違によることなく、修得すべき教育訓練項目(「共通」)と、機器・配置等の相違により選択して実施すべき教育訓練項目(「選択」)に区分して作成するものとする。

(2) 部隊等の長は、技能訓練シラバスの教育訓練項目の追加、削除等の必要を認めた場合は、技能訓練シラバス作成者にその内容に理由を付して通知するものとする。

(3) 技能訓練シラバス作成者は、部隊等の長からの所見等により、教育訓練項目の追加、削除等を必要と認めた場合は、関係各部隊等と調整の上、該当する技能訓練シラバスを修正するとともに、当該技能訓練シラバスを部隊等の長に配布するものとする。

(4) 付紙に示す技能訓練シラバス作成補助者は、技能訓練シラバスの作成及び修正について所要の協力を行うものとする。

(5) 前各号のほか、細部については、技能訓練シラバス作成者所定とする。

2 訓練の計画及び実施

(1) 部隊等の長は、隊員の特技職、階級等に応じ、技能訓練シラバスにより技能訓練を計画し、実施するものとする。

(2) 部隊等の長は、部下の隊員において、当該隊員が保有する特技職と配置の要求する特技職が一致しない場合及び配置上接尾語取得後の技能訓練を重視せざるを得ないと認める場合、技能訓練シラバスによる訓練を免除するこができる。

(3) 部隊等の長は、必要に応じて部下の幹部等を指定し、訓練の計画又は実施を補助又は分担させるものとする。

3 訓練の評価、記録及び通報

(1) 部隊等の長は、技能訓練シラバスによる訓練の記録及び評価を同シラバスに従い実施するものとする。

(2) 部隊等の長は、技能訓練シラバスによる訓練の年度末現在の実施状況を、付紙様式により作成し、年度終了後20日以内に当該隊員の任免権者である地方総監に通知するものとする。

4 訓練の試行

 技能訓練シラバス作成者は、装備機器の特性等により特に必要と認める場合は、技能訓練シラバスの様式及び技能訓練の実施・評価要領等を別に定め、関連する部隊等の長は、原則としてこれを試行するものとする。

5 その他

 部隊等の長は、隊員が転出する場合は、当該隊員の技能訓練シラバスに係る記録(技能訓練シラバスノート)を転出先の部隊等の長に送付するものとする。

 なお、部隊等の長は、特に必要と認める場合のほか、退職した隊員の技能訓練シラバスノートを速やかに破棄するものとする。

別紙第3

接尾語取得後の技能訓練

1 接尾語取得後の技能訓練の目的

 この技能訓練は、技能基準に基づき、接尾語取得時の知識及び技能を維持させることを目的として実施する。

2 対象接尾語

(1)潜水にかかわる接尾語

(2)接尾語明細書に示されている特技職明細書等管理補助者が技能維持を必要と認める接尾語

(3)部隊等の長が技能維持を必要と認める接尾語

3 技能訓練手法の制定

(1)潜水にかかわる接尾語

ア 次の表に示す技能訓練手法作成者は、技能基準に基づき訓練項目を選定し、接尾語ごとに技能訓練手法を定めるものとする。

イ 上記に示す技能訓練手法作成補助者は、技能訓練手法の作成等について、技能訓練手法作成者に対して所要の協力を行うものとする。

(2)特技職明細書等管理補助者が技能維持を必要と認める接尾語(例:立入検査等)接尾語明細書に示される特技明細書等管理補助者は、関係各部隊等との調整の上、接尾語取得後も技能維持を必要と認める接尾語にかかわる技能訓練手法を接尾語シラバスによる訓練に準じて定めるものとする。

(3)部隊等の長が技能維持を必要と認める接尾語(例:LCACクルー(ナビゲーター)等)

   部隊等の長は、第1号及び前号以外の接尾語保有者に対して、技能基準に基づき技能訓練手法を必要に応じて定めるものとする。

(4)部隊等の長は、技能訓練手法作成者及び特技職明細書等管理補助者が定めた技能訓練手法に追加、修正等の必要を認めた場合、技能訓練手法作成者及び特技職明細書等管理補助者にその内容に理由を付して通知するものとする。

4 訓練の計画及び実施

(1)当該接尾語の技能訓練手法に定める訓練は、原則として1年で終了するのを標準とし、訓練対象者は、繰り返し実施する。

(2)訓練対象者は、当該接尾語を保有し、関連した配置で勤務している者で、部隊等の長が指定するものとする。

なお、搭乗員の配置にあるものは、航空集団司令官の定める技能訓練手法を実施することができる。

(3)部隊等の長は、当該接尾語に応じた技能訓練手法により技能訓練を計画し、実施するものとする。

(4)部隊等の長は、必要に応じて部下の幹部等を指定し、訓練の計画、実施を補助又は分担させるものとする。

(5)部隊等の長は、必要な場合、相互に協議の上、協同して技能訓練を行い、訓練効果の向上を図るものとする(例:潜水集合訓練等)。

5 訓練の評価及び記録

 部隊等の長は、技能訓練の記録及び評価を、接尾語取得後の各技能訓練手法に従い実施するものとする。

6 その他

 部隊等の長は、隊員が転出する場合は、当該隊員の接尾語取得後の技能訓練に係る記録を転出先の部隊等の長に送付するものとする。

 なお、部隊等の長は、特に必要と認める場合のほか、退職した隊員の接尾語取得後の技能訓練の記録を速やかに破棄するものとする。